1部前期リーグ戦総括
2018/08/06
1部
東京都大学サッカーリーグは6月24日に第9節が終了し、前期リーグが幕を閉じた。今期の1部リーグは昨年度関東リーグ所属の日本大学・朝鮮大学校をはじめ昨年度東京都王者の明治学院大学、2部からの昇格組である上智大学・学習院大学を含む全10チームによって構成されている。
前期9節を終え、明治学院大学が8勝1敗と早くも独走状態となったが、この昨年度王者を日本大学・山梨学院大学が追走する。また、10位から6位までが勝ち点2差と後期の残留争いも目が離せない。
そんな前期リーグを6つのトピックで振り返る。
〈目次〉
①独走明治学院大学。常勝軍団を牽引するエースの思いとは!
②開幕5連敗からのV字回復!?國學院大學主将インタビュー!
③学習院大学を支える影の立役者!?教えてマネージャー!
④熾烈極める得点王争い!勝利へ導く男たち!
⑤最下位からの這い上がりへ。上智大学の描く後期への展望!
⑥Pick Up Player 1部リーグの鍵となる熱き男たち!!
①独走明治学院大学。常勝軍団を牽引するエースの思いとは!
昨季、1年での関東リーグ復帰を目指した明治学院大学。しかし現実はそう甘くはなかった。熾烈な東京都リーグを優勝で締めくくったものの、昇格決定戦で関東学院大学に破れ、関東リーグ復帰を目前で逃した。
昨季の悔しさを糧に、パワーアップした今年の明治学院大学は一味違う。8勝1敗と圧倒的な強さで前期を折り返し、9節で29得点と攻撃陣が爆発。2位山梨学院大学との得点差は10となった。そんな常勝軍団の攻撃陣を引っ張るのは、1部得点ランキングトップの行武大希 選手(桐蔭学園高校)。東京都リーグで圧倒的な存在感を誇る明治学院大学のエースが語ってくれた。
○前期リーグを振り返っていかがでしたか?
チームとして前期を首位で折り返すことはできましたが、満足する点は何もなく、常に高みを目指していかないといけないと思います。
○チームとして好調な理由は何でしょうか?
誰が出ても同じように戦えるという点はリーグ戦において非常に大事なことだと思いますし、下のカテゴリーの人たちも含めてチームとして底上げ出来ていると感じることが多かった印象です。
○昨季、昇格目前で敗れてしまい悔しい思いをしたと思います。昨季と比べて個人・チームとして変わったところはありますか?
まず、自分も含めて怪我人が減ったことは大きいと思います。去年はいいコンディションで試合に出ていることがほぼなく、比例して結果も付いてこなかったので、怪我しないようにより意識はしていました。
チームとしても、怪我人が少ないと競争意識は高まりますし、何よりコンディションの良い選手が試合に出られていることは良い点だと思います。
それに加えて去年は逆転勝ちが1試合もありませんでしたが、今年はこの時点で2試合もあり、引き分けの状態からでも勝ちきれているので、そこは強みだと思います。
○得点を奪うことに関して何か意識していることはありますか?
点は感覚的なところが大きいので、怪我をせず練習を続けることを考えていました。後はチームを勝たせるために常に得点のイメージを持っておくことを心がけていました。その結果、先制点と負けてる状態で点を決めることが多く、その辺りのメンタルは去年と違うところだと思います。
○後期の意気込みをお願いします。
去年、最後の最後で悔しい思いをした関東大会に向けて、いい状態で臨めるように結果と内容にこだわって1試合1試合大切に戦っていきたいと思います。
②開幕5連敗からのV字回復!?國學院大學、主将インタビュー!
開幕5連敗。未だかつてない状況がチームを襲った。しかし、第6節の朝鮮大学校戦を皮切りに破竹の4連勝。完全なV字回復を果たし、現在は勝ち点を12に伸ばし、5位。まだまだ関東参入戦を狙える位置につけている。開幕5連敗のチームを救った要因は果たして何であったのか?そのワケを主将の石田仁志 選手(FC町田ゼルビアユース)が語ってくれた。
○前期リーグを振り返っていかがでしたか?
激動という言葉が1番似合う前期リーグだったと捉えています。結果を見ていただければ分かると思いますが、開幕5連敗から始まりそこから4連勝で前期リーグが終了しました。チーム状況も良し悪しがはっきりした展開になりました。今はこの両面の経験はポジティブな要素であると捉えています。
○波乱の開幕5連敗。チームはどのような状況でしたか?
目標達成の為に準備をしてきましたが、開幕5連敗で正直、自分達のやってきた事はあっているのかと疑心暗鬼な状態でしたし何とかしなければという想いでした。
○5連敗からの4連勝。チームとして何か変えたものがあったのでしょうか?
チームとしてはコミュニケーションが多くなり、やるべき事を再確認する作業が増えました。
個人としてはパフォーマンスをあげる事、常にモチベーションを高く保てるように伝え続ける事を意識的に取り組みました。
○後期に向けて意気込みをお願いします。
ここからが本当の意味での挑戦です。チャレンジャー精神で全力で闘い関東昇格を必ず成し遂げます。応援をよろしくお願いします。
③学習院大学を支える影の立役者!?教えてマネージャー!
平日の練習、土日の試合で消耗する選手たちを陰ながら支えるマネージャー。その仕事は多岐に渡り、その存在は選手たちにとってなくてはならない存在だ。そんなマネージャーの日々の仕事内容は??普段は聞くことのできない話を学習院大学のマネージャーたちが教えてくれた!
○主なマネージャーの仕事を教えてください
普段の練習の運営、定期戦・合宿の手配、部費の管理、SNS・ホームページの管理
○マネージャーをしていて嬉しいこと・辛いことを教えてください。
・自分でマネージャーの仕事の枠を決めないで、チームのために・勝つために”いま”何が必要か考える。チームのためになる新しい仕事を見つけたらすぐに自ら率先して行動するように意識している。
・プレーヤーがサッカーに集中できる環境を整えるために、積極的にコミュニケーションをとり、彼等が何を求めているかを常に知るように意識している。
○仕事やプレーヤーとの関係の中で意識していることはありますか?
・自分でマネージャーの仕事の枠を決めないで、チームのために・勝つために”いま”何が必要か考える。チームのためになる新しい仕事を見つけたらすぐに自ら率先して行動するように意識している。
・プレーヤーがサッカーに集中できる環境を整えるために、積極的にコミュニケーションをとり、彼等が何を求めているかを常に知るように意識している。
○未来のマネージャーに向けて一言お願い致します。
学年を超えて仲が良く、仕事面でもひとつひとつのことにやりがいを感じられます。大学で何か1つのことに打ち込みたい方、裏方としてサポートする仕事に興味のある方は、ぜひマネージャーとしての入部をお待ちしております。
④熾烈極める得点王争い!勝利へ導く男たち!
試合を最も盛り上げるもの。それはやはり得点であろう。何点取られたとしても取り返す。勝っていようが点を取りに行く。そんな姿勢が試合をより熱くさせる。ここではチームを勝利に導く4人の1部リーグ得点王候補を紹介する。
★明治学院大学・行武大希(桐蔭学園高校)
彼の一瞬のスピードは相手を置き去りにし、その類い稀なる得点能力はどんな強固なチームをもこじ開ける。
★学習院大学・楠田将太郎(聖望学園高校)
得点能力と長短のパスでゲームを作る学習院の要。豊富な運動量とそのフィジカルを活かした高いボール奪取能力も持つ。
★山梨学院大学・阿部優澄(山梨学院高校)
ドリブル・パス・シュートの質が高いことに加え、攻撃的ポジションを複数こなす器用なFW。
★日本大学・金子拓郎(前橋育英高校)
スピード・技術・パワー全てを兼ね備えた驚異のレフティー。1部においても圧倒的な実力を誇る。
⑤最下位からの這い上がりへ。上智大学の描く後期への展望!
今期16年ぶりの1部復帰を果たした上智大学。しかし、そこには厳しい現実が待ち構えていた。第3節で初勝利を果たし、第4節までに勝ち点5を獲得するも、その後は思うように勝ち点を得ることができず、前期9節を終えて10位という結果となった。最下位からの這い上がりへ。上智の描く後期への展望とは?主将の伊藤佑太 選手(県立八千代高校)が語ってくれた。
○前期リーグ、非常に厳しい試合が続いたと思います。振り返ってみていかがですか?
本当にあっという間に過ぎた9節でした。初めの3節は内容も結果も満足できるものでした。しかし、それから勝てない期間が続くと、立て直しが難しかったです。
○1部リーグと2部リーグを経験してみて違いや難しさなどありますか?
1番大きな違いは勝利への執念だと感じました。ゴール前での体を張った守備は2部とは比べ物にならないくらい強いなと感じました。あとは、選手層の多さですね。後半からどんどん能力の高いフレッシュな選手が入ってきて、とても苦労しました。
○現在のチームの長所・課題はなんですか?
自分達の長所はスピーディーな攻撃です。
ボールを奪ってから手数を掛けずにシュートまで行く部分は強みだと思います。ただ、最後の精度が低く得点に繋がらないのが課題です。後期にはベルギーの3点目のような綺麗なカウンターを決めたいです。
○後期の意気込みをお願い致します。
厳しい戦いが続くと思いますが、9試合終わった時に笑っていられるように、この夏でチームを強化し後期リーグに乗り込みたいと思います。
⑥Pick Up Player 1部リーグの鍵となる熱き男たち!!
☆東京経済大学・木榑兼吾(西武台高校)
両足から放たれる正確なキックは東経の攻撃を彩り、溢れる闘志はチームを勝利に導く。この男の存在が関東昇格への鍵となる。
☆大東文化大学・野島樹哉(大成高校)
空中戦において圧倒的な存在感を誇る大東のエアバトラー。前期は全節フル出場とチームにとって欠かせない存在。都選抜の実績も持つ彼が後期の大東文化大学の運命を握る。
☆成蹊大学・白澤遼悟(武南高校)
卓越した技術もさることながら、センス、得点力の三拍子を兼ね備えた10番。成蹊大学の象徴とも言える彼が低迷するチームを後期巻き返しへと導けるか?
☆朝鮮大学校・白明哲(ペク・ミョンチョル)
冷静沈着なカバーリングとコーチングでディフェンスラインを統率。矢のようなロングフィードでチームを牽引する絶対的支柱。
文:橋本