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【特集】3部後期リーグ 総括

2017/11/14

東京理科が2試合を残して1年で2部に返り咲き、最終節までもつれ込んだ昇格争い、残留争いがあった今季の3部リーグ。 様々な所で最後の最後まで死闘を繰り広げた。
 

<目次>

東京理科大学が1年で2部へ返り咲き! 残り一枠の昇格枠を山梨大学が勝ち取る!

② 1年で2部リーグに返り咲いた東京理科大学。 功績をおさめたチームのその真髄とは。

③ 昇格1年で無念の4部降格となった都留文科大学。 3部リーグで何を感じ得たのだろうか。

④ 得点王に輝いた山梨大学の望月啓介選手。 どんなゴールへのこだわりを持っているのか。

⑤ 今季3部リーグで活躍した有望な1年生の選手達。 各チームが持つ有望株は?

 

東京理科大学が1年で2部へ返り咲き! 残り一枠の昇格枠を山梨大学が勝ち取る!



残り2節で1年で2部に返り咲いた東京理科大学は後期開幕から最終節まで首位をキープ。後のトピックでも触れるが、東京理科大学の石塚監督が言う高いプロフェッショナル意識が表れていると言えるだろう。
2位から4位までのチームは熾烈な昇格争いを展開し、2部昇格圏内の2位の座を勝ち取ったのは山梨。下位チーム相手に敗戦することもあったこの三つ巴の争いは、その取りこぼしが最後に響いた形となった。
工学院大学と創価大学の順位争いにも、少しでも上の順位を目指そうという姿勢が見て取れた。
生き残りをかけた残留争いは、桜美林大学と東京農工大学が残留。特に東京農工大学は諸事情により、前期のほとんどの試合を不戦敗で落としてしまい、一時最下位となっていたが、リーグ戦に復帰した後期では上位陣にも負けることなく、残留争いの直接対決でも勝負強さと底力を魅せつけた。関東大会の結果によっては降格の可能性もあるが、最下位から自動降格圏内を抜け出したのは凄いの一言に尽きるだろう。一方で、無念の降格となった国際基督教大学と都留文科大学は一時的に降格圏を抜け出すこともあったが、桜美林大学と東京農工大学の底力と上位陣の強さには敵わなかった。

 

② 1年で2部リーグに返り咲いた東京理科大学。功績をおさめたチームのその真髄とは?

東京理科大学の石塚監督に今季の東京理科大学について語って頂いた。

Q.2部リーグ復帰そして3部リーグ優勝おめでとうございます。
決して楽ではなかったと言える3部リーグを戦い抜く際、チームとして意識していたことは何でしょうか?


私達にはプロフェッショナルな姿勢が必要で、感謝の気持ちと謙虚さを忘れず、ハードワークを重ねることも選手たちに求めました。選手、マネージャーたちには本当に感謝しています。本当によくやってくれました。チームはすべての状況にオープンで、常に高い集中力とインテンシティを維持しました。我々は正しい道を歩み、油断することなく常に上を目指すことができました。とても満足しています。

Q.今季のチーム内でのMVPは誰でしょうか?またその理由も教えてください。

難しい質問ですね。我々はサポーターも含めてチーム全員でこの最高の結果を勝ち取りました。誰か一人でも欠けていたら達成することは出来ませんでした。私はチーム全員を愛しています。だから1人だけを選ぶことは簡単なことではありません。
しかし、キャプテンの関は私が出会った中でも最高の選手の一人でした。聡明でチームの士気を高める有能なキャプテンでした。彼のチームへの貢献度は計り知れません。すべての選手は彼を見習わなくてはならないでしょう。彼には脱帽です。

Q.2部リーグ復帰1年目を迎える来季への意気込みを教えてください。

私達は新しい挑戦を楽しみにしており、新シーズンを心待ちにしています。私達は挑戦者ですから、来季は今季よりも間違いなく難しいものになると思いますが、フットボールとはサイクルです。強いメンタリティと高いインテンシティを忘れず、ポジティブに戦い続けなければなりません。私達は自分たちの力を出し切ることに集中すべきで、そうすればチームは必ず良い方向へ向かうと信じています。

2部復帰となる来季は、石塚監督が言う高いプロフェッショナル意識とインテンシティ、強いメンタリティで今年培ったものを活かして戦ってくれることだろう。
 

③ 昇格1年で無念の4部降格となった都留文科大学。3部リーグで何を感じ得たのだろうか

3部リーグで何を感じ得たのか、主将の久保田選手に話を伺った。

Q.3部リーグを戦い抜いきて感じた3部リーグの難しさとは何だったのでしょうか?

リーグ戦を終えて感じた難しさとしては、リーグが1つ上がると技術や経験の差も大きいことを感じさせられました。それは個人的にもチーム全体としても感じました。新しいチャレンジとして開幕した3部リーグでしたが、試合の運び方や年間を通してのチームの戦い方が固まっているチームが3部リーグには多く、そういったチームと戦っていくことは簡単ではないと思いました。4部リーグにはない、ホームandアウェイ方式で年間17試合という昨年の倍の試合数を行うこともチームとして経験が少なく、難しく感じました。

Q.3部リーグの他のチームと比べて自分達には何が欠けていると思いましたか?

欠けていたものとしては基本的な技術やフィジカル面、先ほど挙げたチームとしての三部での経験などが他のチームより劣っており、そういった点が大切であると改めて感じました。また、シーズンを戦っていくうえで部員数も非常に大切であると感じました。都留文科大学体育会蹴球部では毎年、決して多いとは言えない人数で部活を運営しています。環境や部員数を言い訳にしてはならないと思いますが、もっと多くの学生が都留文科大学体育会蹴球部に入部してくる必要があると感じました。都留文科大学では体育会に入る学生が多いとは言えない状況にあります。そういった意味でサッカー部だけでなく、他の体育会の部活を含めて大学全体として、もっと体育会を盛り上げられるような活動が出来たら部の発展・成長にも繋がると思います。

Q.来季はどの部分をレベルアップし、3部復帰を目指しますか?

今シーズン3部リーグで戦えたことはチームとしても個人としても確実に大きな財産になりました。1年で3部リーグに復帰することが何よりも大切になると思います。シーズンを通して感じた技術やフィジカル面での差、「チーム力」といったものを来年の開幕までに埋めていこうと思います。しかし、出来なかったことだけではありません。3部のチーム相手に通用した部分も多くありました。個人としてもチームとしても、通用した部分はこれからも継続して伸ばしていくことが出来れば大きな力になると思います。チームとして悔しいシーズンを送り、プレーヤー・マネージャー含め全部員が「1年での復帰」を目指しています。4部リーグも決して簡単に勝てるリーグではないことはわかっています。しかし、部活としてのサッカーに対して真摯に向き合う姿勢を忘れず、4部リーグ全勝優勝をして昇格を果たしたいと思います。東京都大学サッカー連盟を少しでも盛り上げられるように日々精進していきますので、これからも応援よろしくお願いします!


「1年での復帰」を目指し、「チーム力」を付けること、自分達の大学の体育会、そして東京都大学サッカー連盟を盛り上げる意欲を示してくれた久保田主将。自分達の厳しい環境を決して言い訳にはせず、サッカーと周りの人達に対する熱い思いを持つ主将がいるチームは「1年での復帰」に大きく近づけるはずだ。
来季はどんな戦いを魅せてくれるのか、期待が高まるばかりだ。
 

④ 得点王に輝いた山梨大学の望月啓介選手。彼が持つゴールへのこだわりとは?


Q. 今季の3部リーグ得点王おめでとうございます。そして、山梨大学の2部リーグ昇格おめでとうございます。
今季の3部リーグで得点王を取ることができた要因とは何だったのでしょうか?


怪我のせいで1年のブランクがあったにもかかわらず、私を信じて試合で使ってくれた4年生に本当に感謝しています。その4年生への恩返しとして「昇格」を絶対に達成したいと思っていたので、少しでもその目標に貢献できれば、という気持ちで毎試合臨んだ結果が得点王という結果につながったと思います。

Q.望月選手のゴールへのこだわりとは何なのでしょうか?


テクニックがない分、泥臭く走り回ったり体を張ったりして最終的にどんな形でもボールをゴールに入れることができればいいと思っています。

Q.2部で戦うこととなる来季は何を意識し、得点を量産していこうと思いますか?


どの相手も自分たちよりレベルが高い相手なので、一試合ごとにチームのFWとして成長し、少しでも多くの得点を取ることを目標にプレーしていきたいと思います。
 


山梨大学 望月啓介選手 (左)


2部で戦うこととなる来季に向けて進化し続ける山梨大学の得点王は、とにかくチームに尽くすFWだ。どんな形であれ得点を量産する姿が今季の3部リーグに爪痕を残したことは間違いない。
成長を遂げるであろう来季はどんな姿を見せてくれるのだろうか。
 

⑤ 今季3部リーグで活躍した有望な1年生の選手達

今年も様々な出来事があった3部リーグだが、総括の最後に幾つかのチームに今年3部リーグでブレイクした有望な1年生を伺った。
各チームにどんな秘宝が存在しているのか、注目必至だ。

※大学名
名前
背番号
ポジション

質問
①入団1年目で3部にデビューし、試合に出て感じた大学サッカーの価値観を教えてください。また、それが自分のプレーにどう影響しましたか。
②シーズンを通して良かったなと思う点、課題だなと思った点を教えてください。
③前の質問でお答えいだたいた2点のことを踏まえ、来季への意気込みをお願いします。

日本大学文理学部
斎藤 行男(さいとう いくお)
26番
FW

①リーグ戦を通して大学サッカーはとにかく頭を使ってプレーをしなければならないと感じました。トラップやドリブルする方向、シュートやパスを出すタイミングなどです。
②それらのことを日々のトレーニングで意識することで自分は早い段階から結果を残せたと思います。しかし、リーグ戦ではまた違った課題が自分にはあることに気がつかされました。それはコンディションの維持です。毎週行われるリーグ戦で、いつも同じプレーやそれ以上のプレーをしなければならないはずなのに自分にはそれが出来ず、試合に出られなくなる期間もありました。
③来季は更なる課題やプレッシャーが自分にのしかかると思います。しかしそれらに負けない強い心を持ち、チームを練習でも試合でも引っ張っていける選手になりたいと思います。そしてリーグ戦全勝で優勝します。応援よろしくお願いします。


武蔵野大学
斎藤 翔太(さいとう しょうた)
2番
DF

①私が感じた大学サッカーの価値観は、戦術面より個々の能力を活かしたプレーをするということです。主にフィジカルを活かしたプレーが多く、球際の強さや空中戦が試合の勝敗を分けるということを感じました。それにより私自身も球際においてボールを確保するために体の使い方を意識するようになりました。
②今シーズン良かった点は、自分の特徴であるドリブル突破で多くのチャンスを作ることができたことです。課題点は守備面での寄せの甘さやマークのつき方などがまだまだ足りないところだと思います。
③来シーズンは、今シーズンで出た良い点を継続し、課題点を練習から修正して必ず2部に昇格したいと思います。


創価大学
望月 響(もちづき ひびき)
10番
MF

①Jリーグ下部組織を経験してきて、正直環境の差で最初は苦労しました。しかし、決して最高の環境ではないなか、大きな目標に向かって一丸となって戦っていくことでチーム力で勝つという価値観を覚えました。そしてチーム力で勝っていくなかで、多くのサッカー経験を活かして結果に繋がるプレーを続けることが自分の使命だと感じました。どの試合も自分のプレーで勝たせることができるよう、決定的なプレーを意識するようになりました。
②シーズンを通してチームとして戦いきったと胸を張って言えることが良かったなと感じる面です。逆に、チームを優勝させることができなかったことが、結果を出さなければいけない立場である自分にとっての課題点であると思います。
③来期は自分のプレーでチームを勝利に導ける決定的な仕事をし続けていきたいと思います。それがこのチームの10番としての決意です。


工学院大学
高橋 優(たかはし ゆう)
33番
DF

①大学サッカーは高校サッカーと比べて運動量が一番違うなと思いました。高校の時はスタミナに自信を持っていたのですが大学に入ってから90分間もたないことの方が多かったです。それによって、後半の終盤にプレーが雑になってしまうことが多かったと思います。
②シーズンを通して、1対1の守備が良かったと思います。課題点は、90分間プレーの質を変えることがないようにすることで、スタミナを向上させていきたいです。
③来季の意気込みとしては、昨シーズンは失点が多かったので、強みである1対1の強さを生かしつつチーム全員で攻撃と守備をし、2部昇格に向けて頑張っていきたいと思います。


桜美林大学
加藤 壮馬(かとう そうま)
41番
MF

①どの選手もオールラウンドに上手くてその上で自分のストロングポイントを持っているように感じました。
②自分は他の選手と比べ技術がないので球際だったり気持ちで負けないようにしました。
③1年目から試合に出られてとても良い経験になりました。しかし、チームの勝利にはあまり貢献できなかったので来シーズンはチームが勝てるように努力していきたいです。


東京農工大学
森 健人(もり けんと)
22番
MF

①大学サッカーの価値観は、ピッチ内外において大半のことを自己判断で行う点にあると感じました。そのため、言われたことだけを意識してプレーするのではなく、自分で考えてプレーする意識が強くなりました。
②シーズンを通して良かったことは、試合に出続けられたことです。高校では出番を得られなかったので、いま試合に出ていることは本当に嬉しく、充実感があります。また、出させてもらっていることで責任やプレッシャーを感じ、精神的に成長している感じがします。逆に課題だと感じた点は、実力を出しきれていないこと、声を出せていないこと、足がつってしまうことです。
③来季は、プレッシャーを楽しみ、プレーでも声でも不可欠な存在になって、チームが昇格できるように頑張ります。


国際基督教大学
倉田 敦史(くらた あつし)
32番
FW、MF

①戦略やチームプレーの大切さを実感しました。高校までは自分の技術や感覚だけで通用しましたが、大学サッカーではフィジカル、スピードなどのレベルが違い、感覚だけではなく頭を使ってチームとして戦うことの重要性を改めて思い知りました。
②チームとして戦う為に自分の役割や味方のプレースタイルの把握、戦術理解に重点を置き、頭を使うことで徐々に大学サッカーに慣れていくことができました。前期は戦術理解などが不十分で、自信を持ってプレーすることができませんでしたが、後期はチームのことを理解し、その上で自分らしいプレーができました。リーグ戦を通してサッカーについてより深く考えられるようになり、自分のプレーの幅が広がりました。
③まだ点に絡むような活躍ができていないので、より一層技術に磨きをかけ、貪欲にゴールを狙っていきたいです。


各チームで鮮烈なデビューを飾った1年生の選手達。来季はそれぞれの場でどのような進化、活躍が見られるのか注目だ。

最後になりましたが、今季で節目となる50回目のリーグ戦を支えて頂いた選手、スタッフ、保護者、OB、OGの方々に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
今季の東京都サッカートーナメントと新人戦、そして来季でも、ご支持と応援よろしくお願い致します。

文:河村

 

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