2019年度第52回東京都大学サッカーリーグ戦3部後期 総括記事
2019/11/11
3部後期リーグ総括
リーグ終了直前まで昇格争い、残留争いが続いた今年の3部リーグ。
そんな熾烈な戦いが繰り広げられたリーグ戦の中、見事昇格を勝ち取ったのは東京理科大学と東京工業大学。一方、関東リーグと関東参入戦の結果次第で、最大4チームの降格があり得る残留争いでは、4部からの昇格組である東京都市大学が見事自力残留を望める6位で最終節を終えた。
最後まで目の離せない展開となった今期の3部リーグを5つのトピックスで振り返る。
<目次> |
・最終順位を振り返る |
・見事2部リーグ昇格を決めた東京理科大学と東京工業大学!両主将に今シーズンを振り 返ってもらう。 |
・得点王は望月 啓介選手(山梨大学)!得点を取る秘訣とは。 |
・惜しくも2部昇格を逃した創価大学。来季に向けて。 |
・俺たちのMVP ~3部リーグで輝きを放った選手たち~ |
最終順位を振り返る |
リーグ終盤で目まぐるしく順位変動が起きた今期の3部リーグ。
まず注目してもらいたいのが2部昇格争いだ。3部優勝という形で昇格権を勝ち取った東京理科大学。前期1位で折り返し、そのまま好調を維持して見事、後期も1位の座を一度も譲らずリーグ優勝を果たした。勝ち点を見ても分かる通り、2位で終えた東京工業大学とは勝ち点7差で、圧倒的な力の強さを見せつけた。東京理科大学にとって2部昇格に向け自信となるシーズンとなったに違いない。
一方、もう一枠の昇格を勝ち取った東京工業大学は前期折り返し時点では5位であった。しかし、後期序盤でつまずくも、着実に勝ち点を積み上げ、勝ち点で並んだ創価大学とは直接対決で勝利し、その差で見事2位でフィニッシュをした。その創価大学にとってはとても悔しいシーズンとなってだろう。後期開幕から最終節目前まで2位の座をしっかりキープしていたが、最終節で順位がひっくり返る形となってしまった。
残留争いでは4部からの昇格組である東京都市大学が意地を見せた。冒頭でも述べた通り、今年は関東リーグ、関東参入戦の結果次第で最大4チームが降格する可能性がある。そんな中、後期終盤で順位を上げ自力残留が望める6位でリーグを終えた。
工学院大学と日本大学生物資源科学部は関東リーグと関東参入戦の結果待ちとなってしまった。工学院大学は途中まで中間の順位を保っていたが、リーグ終盤で失速してしまい悔しいシーズンとなってしまった。一方、日本大学生物資源科学部は後期終盤で驚異の追い上げを見せた。この頑張りが報われるのか見どころである。
見事2部リーグ昇格を決めた東京理科大学と東京工業大学!両主将に今シーズンを振り返ってもらう。 |
今季、2部への昇格権を掴んだのは東京理科大学と東京工業大学。
昇格をつかみ取れた要因は何だったのか、リーグ戦が終わった今、東京理科大学 三富優介 主将(新潟明訓高校)と東京工業大学 星野雄毅 主将(千葉県立千葉高校)に今季のリーグ戦について振り返ってもらった。
Q.まずは2部リーグ昇格おめでとうございます!今シーズンを振り返ってどのように感じましたか?
三富 主将
毎試合、負けないことを意識して取り組めたと思います。勝ち点を落とさず良いペースで優勝を決定できて嬉しかったです。
星野 主将
とにかく昇格できてよかったという気持ちです。後期の出だしでつまずいてしまい、工学院戦で負けたときは2位との勝ち点差が8も開いていたので、かなり厳しい状況でしたが何とか昇格をつかみ取れてうれしいです。
Q.チームとして昇格をつかみ取れた要因はなんでしょうか?
三富 主将
偵察を怠らず、毎試合相手チームの分析をして対策したことが要因だと思います。相手チームのストロングポイントをしっかり潰せたと思います。
星野 主将
まず、チームのみんなが責任感を持って行動してきたことだと思います。今年は一年生から四年生までチームに協力的な人が多く、全員で努力した結果、創価戦で勝利でき、昇格までこぎつけました。
Q.チームを昇格に導くために、主将として普段の練習やリーグ戦でどのようなことを意識してきましたか?
三富 主将
チーム内で競争意識を持たせることを意識していました。スタメンに定着している選手も危機感を持って練習に取り組めたと思います。
星野 主将
練習ではだれよりも自分が真剣に取り組むことを意識してやりました。ただ、それ以上に自分の足りないところを副部長やそのほかのチームメイトに支えてもらえた結果チームがまとまり、試合も勝てたので、このチームだからこそできたことだと思います。
Q.来シーズンへの意気込み(引退してしまう場合は来シーズンを戦う後輩たちに向けて)一言お願いします!
三富 主将
まずは2部でのバチバチの試合を楽しんでもらいたい。その中で去年達成できなかった残留・昇格を成し遂げてもらいたいです。
星野 主将
一昨年は一年で降格してしまったので、そういった意味で今年はリベンジの年です。うまくいくことばかりじゃないと思うけど、絶対残留してほしいです!
得点王は望月 啓介選手(山梨大学)!得点を取る秘訣とは。 |
今年の3部リーグ得点王は、リーグ通算16得点の望月 啓介選手(山梨大学)となった。リーグ得点王を勝ち取り、自身にとってとても印象深いシーズンとなっただろう。そんな今シーズンの振り返りや、得点王に輝いた感想について聞いてみた。
Q.得点王おめでとうございます!得点王に輝いた感想を教えてください!
個人タイトルとして2度目の得点王になることができたことは嬉しいですが、チームのシーズンを通しての目標であったリーグ優勝が達成できなかったことはとても悔しいです。
Q.得点を取るために普段の練習や試合で意識していることは?
ゴール前でできるだけリアリティを持って練習に励むことで、得点感覚を高めることを目指しています。また、試合ではボールを持ったときも持っていないときも、常にゴールを目指してプレーしています。
Q.自分が1番得意な形のゴールはなんでしょうか?
持ち味であるスピードでDFの裏に抜け出すプレーや、ゴール前でのダイレクトシュートから何度も得点することができました。
Q.今シーズンを振り返って1番印象に残っているゴールシーンは?
1番印象に残っているゴールは、最終節の首位東京理科大学を相手に決めた最後のゴールです。今シーズン、優勝や昇格という目標は達成できなかったですが、それ以外での最高の形でシーズンを締めくくることができたので、とても感極まった瞬間でした。
惜しくも2部昇格を逃した創価大学。来季に向けて。 |
後期リーグでは最終節目前まで2部昇格圏内をキープしていた創価大学。最終節で東京工業大学に順位を抜かれ、惜しくも昇格権を逃してしまった。だが、昇格とはならなかったものの、今季の3部リーグで創価大学の確かな実力を示せたのは間違いないだろう。
そんな創価大学に、今期の振り返りと来期に向けて聞いてみた。
Q.惜しくも昇格とならなかった今シーズン。振り返ってみていかがでしたか?
今シーズンは、私たち創価大学サッカー部にとって本当に悔しいものとなりました。特に、後期残り4節の結果は、勝ちが遠く、昇格争いに大きく響きました。今年のチームは、足先の技術や戦術以上に、組織力を軸に戦いました。先制点を許し失点を重ねても、チームの雰囲気や勢いを止めることなく戦ったことで、何度も逆転、追いつくことのできるチームだったと感じています。
しかし、ホームで開催された後期残り4節は、1つでも勝っていれば昇格できた状況で1勝もすることが出来ませんでした。結果、最後の最後まで昇格争いに縺れ込み、得失点差で惜しくも3位となりました。
今シーズンを経て、やはり目の前の試合に勝つことの難しさ、自分たちの実力を肌で感じ、スポーツにおける勝負の世界の厳しさを痛感しました。振り返れば、今回の結果に対する要因が様々ありましたが、結局は勝つことで全て解決される単純なことだと思いました。だからこそ来シーズンでは、この悔しさを糧として、今年以上に勝負にこだわり、なんとしても2部に昇格していきたいです。
Q.今シーズン出たチームの良さと、来シーズンには改善したい点を教えてください。
チーム全体の明るさ、雰囲気の良さ。一人一人が熱い気持ちを持って戦えたことが今シーズンのチームの良さです。
来シーズン改善したいことは、チーム全体の守備の仕方の改善。トラップとパスの基本的な技術のレベルアップをしていきたいです。
Q.来季の目標をお願いします。
一人一人のレベルアップとともにチーム全体のレベルアップをし、無敗で昇格することです。
今期悔しいシーズンを過ごしてしまった創価大学。しかし、この経験があるからこそ来季への気持ちは強いはずだ。来季の3部リーグでの強い戦いぶりが期待される。
俺たちのMVP ~3部リーグで輝きを放った選手たち~ |
年間を通してリーグ戦を戦い抜いてきた各校の選手たち。得点王やアシスト王、優秀選手賞などの賞は受賞できなかったものの、チームに大きく貢献した選手は必ずいる。
ここでは、まだ特集をされていない工学院大学、日本大学生物資源科学部、桜美林大学、武蔵野大学、東京都市大学、明星大学の6校に、自チームから1人MVPを選出してもらい、その選手について紹介をしていく。
【工学院大学】MF 菊池 海斗(大分南高校)
今季リーグ戦においてピッチ中央で正確なキックでゲームメイクをし、セットプレーでもキッカーとして何度もチャンスを演出した。さらに自ら2列目から飛び出し得点もすることでチームの柱として活躍した。
【日本大学生物資源科学部】DF 大川 蒼生(日本大学三島高校)
気迫のあるプレイでチームを鼓舞し、攻守にわたり多くの運動量でチームを救った。
【桜美林大学】MF 河野 拓人(流通経済大学付属柏高校)
得点、アシスト共にチームトップの活躍を見せた。
【武蔵野大学】MF 大石 智輝(加島学園高校)
チームで1番走り、最後まで声を出して戦ってくれた。いるといないでは大違いの選手。中盤で攻撃の起点になり、守備でも相手の攻撃を潰す活躍をしてくれた。
【東京都市大学】FW 藤原 悠生(横浜創英高校)
1年生ながら自信に満ち溢れるプレー、その鋭い抜け出しと突破力でチームに勝利をもたらした。
【明星大学】MF 宗形 春希(府中東高校)
今期のリーグ戦において、高いフィジカルと的確な位置取りで、特に守備の局面で多くの危機を救ってくれた。
最後になりましたが、今季のリーグ戦を支えて頂きました選手、スタッフ、保護者、OB/OG、審判員、その他関係者の方々に心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。今季の東京都トーナメントや新人戦、そして来期以降もご支持とご声援のほど宜しくお願い致します。
(文:杉山)