平成30年東京都大学サッカーリーグ戦2部後期 総括記事
2018/11/10
2部後期リーグ 総括
東京都大学サッカーリーグ2部も10月14日の第18節をもって閉幕した。今年は最終節を待たずに昇格チームと降格チームが決まっていたが、それは結果論に過ぎない。どのチームも各試合で様々なドラマがあり苦難があった。各チームがめいめいに抱く想いがあってこその、このような激しいリーグ戦だ。そんな2部リーグを4つのトピックと共に振り返る。
〈目次〉
・2部総評、順位変動表と共に振り返る
・見事に昇格を決めた東京大学、帝京大学、両校主将インタビュー‼︎
・昇格して1年で無念の3部降格となった東京理科大学。2部リーグで感じたことは!?
・〈最後の砦〉2部を沸かせたゴールキーパー達!
2部総評、順位変動表と共に振り返る
後期の2部リーグは上位2チームと下位2チームがはっきり分かれる結果となった。東京大学と帝京大学は後期を通じて順位変動がなく、下位2チームも一度順位が入れ替わっただけであった。結果を見れば上位2チームが他を圧倒したように見えるが、スコアなどを振り返って見てみれば接戦をものにしたりと、どのチームにも逆転の可能性は大いにあったと言えるであろう。中位チームの順位変動の多さを見ても、力が拮抗していた事がよくわかる。しかし、やはり一度も順位を落とさずに1位と2位を守り続けたこの2チームが強かったというのは紛れもない事実だろう。
見事に昇格を決めた東京大学、帝京大学、両校主将インタビュー‼︎
後期はこの2チームが常に1位、2位であった。どちらも最終節を待たずに昇格を決め、他をリードしていた。来シーズン、東京大学は3季ぶりに、帝京大学は2季ぶりに一部で戦う。そんな2チームの主将に、それぞれ3つの質問に答えてもらった。
東京大学 中沖隼 主将
①今シーズンを振り返ってみてどうでしたか?
②昇格の決め手となったものはなんだと思いますか?
③来期一部で戦う選手達に一言お願いします。
①正直ここまで勝てるとは思っていませんでした。開幕戦を落として以降優勝まで一度も負けずにシーズンを過ごせたことには本当に驚いています。毎年得点力不足が嘆かれ1-0での勝利が多いチームであるはずが、大量得点での勝利や点の取り合いとなる試合が多かったことも予想外でした。そして今年の2部はあまりに力が拮抗していた為に、リーグ序盤は1試合で順位が大きくひっくり返りかねないという緊張感や苦しさが半端ではありませんでした。しかし、それは同時に全チー ムが絡んで足をひっぱり合う状況でもあり、後期に入って「負けない」ことを続けていけば下位との勝ち点差は自然と開いていきました。このことが早い段階での昇格、二部優勝の決め手となったと思います。予想外の展開でしたが、苦しさが逆に余裕を生んだシー ズンであったと言えます。
②選手の成長に尽きます。上からのものの言い方になりますが、シーズン前はプレーの中心にいたわけではなかった選手たちが本当に成長しました。同期の佐俣が象徴的で、彼は去年までずっとBチームで公式戦に出場したことのない選手でした。しかし終わってみれば7得点を挙げ、今シーズンの昇格に大きく貢献する存在にまで成長しました。彼を含むこうした選手の成長が、タレントがいない、選手層が薄いなどの問題を解決し、怪我や出場停止で試合に出れる主力選手が減る中でも勢いを殺さずに昇格まで突き進めた決め手になったのかなと思います。
③1部と2部、2部と3部の力の差は以前より開きつつあるように思います。つまり2部で勝てたことなど、1部ではなんの保証にも自信にもなりません。個々の力もチームとしての完成度も2部より数段上の1部で刺激を受けながら、謙虚に、かつ「譲れないもの」を持ちながら戦い抜いて欲しいです。心から応援しています。
写真:東京大学運動会ア式蹴球部
帝京大学 松本蓮 主将
①2部リーグを戦って感じたことを教えて下さい。
②一部復帰を勝ち取る事が出来た決め手となったものはなんだと思いますか?
③来期一部で戦う選手達に一言お願いします。
① 1部リーグとは全てにおいてレベルの差があると感じました。
②試合内容が悪くても勝ち切れた事です。
③ レベルは上がると思うんですけど、全ては自分たちの取り組み次第なので、日々精進してほしいです。
写真:帝京大学体育局サッカー部
昇格して1年で無念の3部降格の東京理科大学。2部リーグで感じたことは!?
昨年の3部リーグを圧倒的な力で制し今期の2部リーグに参戦した東京理科大学。しかし、2部リーグの壁は厚かった。前期を9位で折り返し後期の巻き返しを狙っていた矢先の後期リーグ戦出場停止。今期のリーグは思い通りにいかない事ばかりだっただろう。そんな東京理科大学の山岸倫太 主将が語ってくれた。
①2部リーグをたたかってみて難しかったと感じた部分はなんですか?
A.2季ぶりの2部復帰ということで望んだ今季でしたが、先制点を取って自分達のチームのペースに持っていくことが難しく感じました。
②2部リーグの他のチームと比べて自分達に足りなかったと思う所はどこですか?
A.90分を通してゲームを支える体力や、集中し続ける精神力です。
③来季の2部復帰に向けて選手達に一言お願いします
A.常に高い目標を持ち理科大のサッカーを確立していってください。
写真:東京理科大学I部体育局サッカー部 山岸倫太 主将
〈最後の砦〉2部を沸かせたゴールキーパー達!!!
ゴールを決めること、それは確かに大事だ。得点しなければ試合に勝つことはできない。しかし、逆に点を取られなければ絶対に負けることはないし、勝ち点も確実に手に入れる事ができる。今回はそんな大事なゴールを守った2部の守護神たちを紹介する。
首都大学東京 4年 仲間琳星
セービング、ハイボール処理、状況判断等、あらゆるプレーで高いクオリティを誇るGK。中でも特筆すべきは左右両足から放たれるロングフィードの質と精度である。的確な判断と安定した技術で文字通りチームを支えるプレーヤーだ。
武蔵大学 3年 篠浦隆宏
ビルドアップに積極的に参加し、攻撃に繋げるプレーが得意なGK。基礎がしっかり身についており、チームに安定感をもたらす。チームにキーパーが1人という状況にも屈することなく、努力を怠らない優秀なプレイヤーだ。
成城大学 3年 菊田涼平
高いセービング能力と守備範囲の広さを武器とするGK。素早い反応と優れた身体能力により、幾度となく成城のピンチを防いだ。的確な判断で、ディフェンスラインの裏に出されたボールを危なげなく回収する。彼の右足から繰り出されるロングフィードは何度も成城のチャンスに繋がった。
亜細亜大学 2年 宮川聖冬
フィールドプレーヤーと遜色ないほど足元の技術に秀でたGK。亜細亜の守備を支えた。
最後になりましたが、今季のリーグ戦を支えて頂きました選手、スタッフ、保護者、OB/OG、審判員、その他関係者の方々に心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。今期の東京都トーナメントや新人戦、そして来期以降もご支持とご声援のほど宜しくお願い致します。
文:大塚