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平成30年東京都大学サッカーリーグ戦1部後期 総括記事

2018/11/10

 

1部後期リーグ 総括

 東京都大学サッカーリーグ1部が前期、後期の計18節を終え、幕を閉じた。強豪ひしめく1部で圧倒的な力を見せて制覇した明治学院大学。彼らに加えて見事、関東昇格への挑戦権を勝ち取った日本大学、山梨学院大学の2校。その一方で、最終節までもつれた熾烈な残留争い。歓喜を掴み取ったチームもあれば悔しさの残ったチームもある。1試合1試合、1分1秒に全てを注ぎ込んだ選手達の全てが詰まった1620分。そんな1部リーグを5つのトピックで振り返る。

 
 


 

〈目次〉

①関東参入戦出場権を勝ち取った明治学院大学日本大学山梨学院大学。激戦を勝ち抜いた3チーム主将

②最終節、劇的勝利で自力残留を果たした大東文化大学!苦しいシーズンを乗り越え、得たものとは?

③16年振りの1部で見事残留を決めた上智大学!前期最下位から巻き返した要因に迫る!

④得点王・行武大希。不運な怪我から這い上がった男が抱く思いとは?

Pick Up Player チームを牽引した男達!



 

①関東参入戦出場権を勝ち取った明治学院大学日本大学山梨学院大学。激戦を勝ち抜いた3チームの主将


 激戦の1部リーグを戦い抜き、関東昇格戦への切符を掴んだ3チーム。総理大臣杯でベスト8まで上り詰め、関東昇格へ死角なしの明治学院大学。1年での関東復帰へ、絶対に負けられない日本大学。昨年の昇格戦の悔しさを胸に、関東へ挑戦する山梨学院大学。

 関東昇格戦に挑む3チームの主将、明治学院大学・高橋龍世 選手(実践学園)日本大学・坂本修平 選手(古賀第一)山梨学院大学・横山英雄 選手(大阪桐蔭)が語ってくれた。

 
 

1.リーグ戦を振り返ってみていかがですか?

高橋主将:3年間この都リーグ1部で戦わさせていただきましたが、毎年レベルが上がっているのをとても実感すると共に、このリーグ戦を通して自分たちが1つ1つの試合の経験を積み重ね成長できたと感じています。長丁場となるリーグ戦ではいかに勝ち点を積み重ねるか、この「負けない」という事を意識しつつ、毎試合目の前の勝負だけに集中できた事が優勝に繋がったと思います。また、常に謙虚にチャレンジャー精神を持って戦う姿勢をチーム全体でできた事、驕る事なく試合を進められた事、これらが優勝できた最大の要因かなと思います。

坂本主将:前期はチーム内で様々なチャレンジをしたこともあり、なかなか勝ち点が伸ばせない苦しい時期もありましたが、いろいろな壁を乗り越え最終的に関東大会への切符を掴むことが出来てよかったと思います。関東リーグ昇格に向けて成長できたリーグ戦でした。

横山主将:後期なかなか勝ち点が取れない状況が続いていましたが、厳しい時でもチームとしてモチベーションも落とさずに戦い、参入戦の切符を手に入れられたので良かったです。

 

2.1年を通して戦っていく中でチームとして成長したと感じた事はなんでしょうか?また、印象に残った試合などあれば教えて下さい。

高橋主将:1年間通して、チームが勝ち方(試合巧者としての賢さ)を知れた事がとても良い成長であったと感じています。サッカーは強いものが勝つのではなく、勝ったものが強い。この言葉のように試合をしてみなければなにもわからない環境を理解して、常に隙を見せず戦い、粘り勝ちを続ける事が出来たこと。これはチームにとって大きな成長であったと思います。諦めないで粘り強く戦う事が、総理大臣杯での結果に繋がっていったと思います。印象に残った試合は、アミノバイタルカップ決勝の法政大学戦です。試合に勝つことは出来なかったものの、都リーグ所属でもあの舞台に立てる事を証明できたからです。また、このレベルになる為に必要な反省点が再認識でき、良い経験になりました。

坂本主将:ピッチ内での成長はもちろんですが、ピッチ外の部分でも成長出来た1年だったと感じています。部員が100名以上いるということもあり、当たり前のことですが多くの選手が公式戦に出場すること出来ません。その中で試合運営や応援など裏方でチームの為に行動できる選手が増えてきたことにより、組織としてとても成長したと思います。

横山主将:チームとしての一体感というものはこの1年を通して1番成長した部分だと思います。やはり1節目の東京経済大学戦は自分達の初陣ということで今でも覚えています。

 

3.関東昇格戦への意気込みをお願い致します。

高橋主将:アミノバイタルカップ準優勝、総理大臣杯ベスト8、都リーグ1部優勝の結果を残しても関東に昇格できなければこの1年間は何の意味もないと思っています。このチームの最大の目標は、関東リーグ昇格です。この為に1年間準備をしてきたので、東京を代表して必ず関東に上がれるよう目の前の試合に集中して、一戦必勝で一丸となって戦い抜きたいと思っています。

坂本主将:監督やコーチングスタッフはもちろん、両親、OBの方々などご支援、ご声援を頂いた日本大学サッカー部に関わる全ての人への感謝の気持ちを持って戦い、必ず昇格します!

横山主将:一体感をもって全員で全力で戦い、絶対に関東リーグに昇格します!

 

②最終節、劇的勝利で自力残留を果たした大東文化大学。苦しいシーズンを乗り越えた主将の思いとは。


 昨年、都リーグを3位でフィニッシュし、関東昇格戦に挑んだ大東文化大学。関東リーグ昇格には至らなかったものの、チームは確かな手応えを感じ、翌年の昇格を誰もが信じていた。そして開幕した今シーズン、前期を6位で折り返すものの、後期では勝ちきることができず、17節を終えて自動降格圏内の9位。最終節は5位の上智大学。しかし、誰も諦めてはいなかった。試合開始直後に先制。その後も立て続けに2点を奪い、3-0。後半に猛攻を受けるも、耐え凌ぎ勝利。他会場の結果により大逆転残留を果たした。
 
大東文化大学にとってこれ以上ない苦しいシーズンであったことは間違いない。そんなチームを背中で支え続けた主将、高澤尋斗 選手(浦和東)が語ってくれた。

 

 

1.リーグ戦を振り返ってみていかがでしょうか?

 

 自分が在籍していた4年間で一番負けて、一番失点数が多かったシーズンでとても悔しかったです。ただ、主将を務めたくさんの経験ができて一番充実したシーズンであることも間違いありません。

 チームが上手くいかないときに、なんとかしないといけないと自分に過度なプレッシャーをかけてしまい日に日に自分らしいプレーができなくなりました。しまいにはスタメンから外された時期もありました。しかしスタメンから外されたことで、今まで気付かなかった大切なことに気付きました。学連を中心に行う試合運営や審判派遣、勝利のために戦略を練るスタッフや学生コーチ、リーグ戦のためにBチームが行うグランド設営や応援、選手を陰で支えるマネージャー、次の試合のスカウティングに行く後輩、試合を観に来て下さる保護者や友人。たくさんの人に支えられて初めて試合ができる、試合ができることは当たり前ではない、試合に関われることにもっと感謝しないといけないと思いました。そうした人達を喜ばせるには勝利しかないと考え、それからは自分のためではなく支えてくれる人達のために戦う覚悟を決め、自分らしいプレーを取り戻しました。そして最終節での降格圏からの奇跡の残留劇。自分自身ゴールという形でチームの勝利に貢献でき、みんなの笑顔を見ることができて本当に幸せでした。

 

2.昨年は関東参入戦に出場したにもかかわらず、今季はなかなか結果が出ない事に悩んだと思います。昨年と今年を比べて何か違いなどはあったのでしょうか?

 

 粘り強さだと思います。去年なら引き分けられた試合で今年は負けしまい、相手に勝ち点を与えてしまいました。また去年とメンバーがほぼ変わらないのに負けが多かった理由は、試合に出ている選手が去年の良いところを後輩にうまく還元できなかった、それだけです。球際、セカンドボール、相手にサッカーをやらせない、闘う姿勢。それをベースにして、さらに強くなるために新チーム立ち上げから攻撃の練習を多く取り入れてリーグを迎えましたが、サッカーの厳しさを突き付けられました。ただ後期リーグでは試合を重ねるごとに自分たちの判断があるしまったゲームができるようになり、選手達も自信をもってプレーしていました。それがもっと早くできていれば必ず上位に食い込めたと思います。

 

3.今期は主将という立場で、戦っていく中での難しさがあったかと思います。どのような事を意識しましたか?

 

 主将としてチームの隅々まで、見たくない部分も見て誰かが悪いことをしたら叱る。チームがより良くなるためにはどうすればよいかを考える。そういった作業に気を取られプレーに集中できないこともしばしばありました。それでは本末転倒なので、ピッチに入ったら自分ができることを100%で全てやろうと意識していました。

 また、自分は主将でありながらもムードメーカーキャラだったので、練習の雰囲気を大事にしていました。ぬるい時には締める。固い時には盛り上げる声を出してきました。それを続けていくうちに今週は勝てそうだなとか、今週はあやしいなとか、そういった雰囲気に敏感になることができました。

 

4.来年のチームに向けて一言お願い致します

 

 去年の良い経験、今年の悔しい経験、どちらの経験もしてきた選手達なのでどうしたら勝てるのかがわかると思います。大東史上最強のチームを作ってください。また強いチーム、応援されるチームは選手全員が帰属意識を持っています。学生主体の大学サッカー、一人一人がチームのためにできることを探し日々精進して下さい。期待しています。



 

③16年振りの1部で見事残留を決めた上智大学!前期最下位から巻き返した要因に迫る!

 

 今シーズン16年ぶりの1部に挑んだ上智大学。前期リーグを終えて勝ち点7の10位。1部リーグの厳しさを味わった。最下位から挑んだ後期。10節11節で2連敗を喫し、このまま終わりであるかに見えた。しかし、12節vs成蹊大学戦を皮切りに2連勝、15.16.17節で3連勝。チームは好調を維持し、最終節を待たずして1部残留を決めた。前期最下位から巻き返し、見事残留を決めた上智大学の主将、伊藤佑太 選手(県立八千代)が語ってくれた。

 

 

1.リーグ戦を振り返っていかがでしょうか?

 

 素直にホッとしています。前期を最下位で折り返した時は危機感や不安な気持ちでいっぱいでした。でも、前期最下位という結果はそれはそれで良かったと思います。実際に16年ぶりの1部という舞台は手探りの状態で、前期は様々な戦術にチャレンジしていました。そして前期で得たものを夏の間に磨き、後期リーグでは結果に繋げることが出来ました。

 

2.前期リーグを最下位で折り返した上智大学ですが、後期は巻き返して5位と見事なフィニッシュでした。前期後期の中断期間にどのような事を意識して練習したのでしょうか?

 

 全体ミーティングを行い、目標の再設定とチャレンジャーの立場である事を再確認し、気持ちを入れ直しました。夏以降は、全員良いメンタリティーで練習、試合に臨めていたと思います。戦術面では「堅守速攻」をベースに、守備では5バックとブロックを形成した守備の強化を徹底しました。攻撃ではセットプレーとボール奪取後、スピードとパワーで縦に速く推進力を持ってゴールに迫る形を作り上げました。

 

3.今期は主将という立場で、戦っていく中での難しさがあったかと思います。どのような事を意識しましたか?

 

 1部で勝つ為に、戦術の組み立て、芝の練習場の確保、フィジカルレベル向上、雰囲気作りなどやるべきことはたくさんありましたが、同期の仲間たちがチームのことを考え自主的に行動しカバーしてくれたので、自分としては難しさは特に感じませんでした。

 また、とにかく声とガッツでチームを鼓舞し、引っ張ることは意識していました。自分自身は技術のある選手ではないので、球際でガツガツ戦い、ボールを奪ったら一番前まで駆け上がり、奪われたらダッシュで戻る、そうすると次第にチームの空気が変わり、強い上智へと生まれ変わりました。自分のプレーでチームの士気が高まるのを感じていたので、そこは特に意識してプレーしていました。

 

4.来年のチームに向けて一言お願いします!

 

 今は1部5位の上智という認識をされています。今年以上に警戒され難しいシーズンになると思いますが、今年の1部残留という結果に満足せずさらに上のステージを目指してほしいと思います。僕以上にガッツあるキャプテンと声を出せる副キャプテンが揃っているので何かやってくれるんじゃないかと楽しみにしています。



 

得点王行武大希。不運な怪我から這い上がった男が抱く思いとは?

 

 昨年、目の前で関東リーグ昇格を逃した明治学院大学のエースは今シーズン、前期のみで12点と大爆発。後期も得点を量産し、チームを牽引するかと思われた。しかし、アミノバイタルカップ準決勝で肩を負傷。後期のピッチに立つことはできなくなった。懸命なリハビリを経て挑む関東参入戦。不運な怪我から這い上がった男が抱く思いとは。

 

1.今シーズンを振り返っていかがですか?

 後期は出場できませんでしたが、チーム全員で掴み取ったリーグ優勝だったと思います。

 

2.アミノバイタルカップでまさかの大怪我を負い戦線離脱。その中でチームは総理大臣杯でベスト8まで勝ち進みました。やはり気持ちに焦りはありましたか?


 焦りがなかったと言ったら嘘になりますが、サポートメンバーとして全国のメンバーにも帯同していたので素直に嬉しかったです。また、誰が出ても勝てるのがチームの強みなので特に心配はしていませんでした。

 

3.今シーズンを通して自身の成長した点を教えてください。
 

 一番はメンタル面です。苦しい時にも点を取れたし、引き分けや負けている状態の時でも、楽しんでサッカーをすることができていたと思います。

 

4.関東昇格戦への意気込みをお願いします。

 

 昇格戦は今年の集大成の場です。自分達で残してきた結果を無駄にしないためにも、絶対に昇格しなければいけないと思います。また、共に戦ってきたにも関わらず、怪我で出場できない選手がいます。その人達の気持ちは自分が一番わかっているので、そういう人の気持ちも背負ってやっていきたいと思います。



 

Pick Up Player チームを牽引した男達!

 

◯学習院大学・原 勇之介(習志野高校)

狭い局面を得意とし、ワンタッチや球際の巧さで相手を翻弄する。どのポジションでもこなすユーティリティープレイヤー。

 

 

○成蹊大学・田口裕也(武南高校)

サッカーIQの高い成蹊のブレインであり、チーム屈指のゲームメーカーとして攻撃の起点になり続けた。

 

 

◯國學院大学・重永駿佑(桐蔭学園高校 )

チーム1のムードメーカはピッチに入ると豹変する。ロナウジーニョを彷彿とさせる独特なドリブルで相手をいなし、國學院の攻撃を牽引した。

 

 

◯朝鮮大学校 ・韓勇太(東京朝鮮中高級学校)

誰にも負けない屈強なフィジカルとゴールへの貪欲な姿勢で得点を量産する朝鮮大のエースストライカー。

 

 

◯東京経済大学 ・守屋怜治(成立学園)

東経屈指のイエローカードコレクターだが、攻守にわたって相手チームを脅かし続けた和製ガットゥーゾ 。

 





 最後になりましたが、今季のリーグ戦を支えて頂きました選手、スタッフ、保護者、OB/OG、審判員、その他関係者の方々に心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。今期の東京都トーナメントや新人戦、そして来期以降もご支持とご声援のほど宜しくお願い致します。

文:橋本


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